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2009年11月27日 (金)

今月の数字8.6兆円の続き<後半>

前回は太陽光発電の助成金やコストについて記載しました。

で、今回は本題の核燃料サイクル、主に再処理工場のコストについて考えてみます。

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さて、次に日本の核燃料サイクル政策について考えてみたいと思います。

日本では、火力、水力、原子力などによって発電を行っていますが、原子力発電の場合、その放射性廃棄物が大きな問題となっています。

日本の各発電所から出た低レベル放射性廃棄物は、青森県六ヶ所村の低レベル放射性廃棄物埋設センターに運ばれます。

また、使用済み燃料も、 各原発で一定期間冷却したあと六ヶ所村に運ばれて、再処理工場の中の使用済み核燃料貯蔵プールに送られます。 その後、プルトニウムなどを取り出す「再処理」をし、同時に低レベル放射性廃棄物から高レベル放射性廃棄物まで分けられ、高レベル放射性廃棄物はガラス固化体にして、再処理工場の敷地内にある高レベル放射性廃棄物貯蔵管理センターに「一時的に貯蔵」することになっています。

「サイクル」「再処理」というと、家庭用のゴミを分別して出すような、なんとなくいいことをしているような印象をあたえますが、実際は、「原発が1年で出す放射能を再処理工場では1日で出す」といわれるように、使用済み燃料のなかにある放射性廃棄物を環境中に放出することになってしまうし、取り出されるプルトニウムは、原爆の材料ともなるもので、その取り扱いのしかたは非常にやっかいです。

日本以外の国では、再処理をしないで、使用済み燃料を直接処分する方法をとっているところがほとんどです(核兵器に関連する国をのぞいて、再処理をしている国はないからです)。

ところで2004年に国の原子力委員会が開催した新計画策定会議では、(「基本シナリオの核燃料サイクルコスト比較に関する報告書」http://www.aec.go.jp/jicst/NC/iinkai/teirei/siryo2004/kettei/sakutei041124.pdf

ウラン燃料の製造から再処理工場の建設・操業、放射性廃棄物の処理といった核燃料サイクル全体のコスト比較をすると、再処理した場合(シナリオ1)は42.9兆円、直接処分した場合(シナリオ3)は30.038.6兆円かかるとでています。(「新計画策定会議(第10 回)資料第7号」http://www.aec.go.jp/jicst/NC/tyoki/sakutei2004/sakutei10/siryo7.pdf

ここからは、何十年も先のことまで含めた、だいぶ、大ざっぱな話になりますが、直接処分した場合を仮に真ん中の34.3兆円とすると、再処理しないほうが、約8.6兆円お金が浮くことになります。

誤解のないようにいっておくと、この8.6兆円という数字は、20022060年度の59年間について、そのシナリオ(方法)にそって処理を行えば、いくらかかるか、ということなので、再処理をやめようといったとたんに、8.6兆円のまとまったお金が出てくるわけではありません。

しかし、建設・操業費等だけでも11兆円といわれている 六ヶ所再処理工場は、度重なる事故のため、本格運転は早くても2010 10 月以降になる見込み(日本原燃http://www.jnfl.co.jp/press/pressj2009/pr090831-b.html 原子力資料情報室 http://cnic.jp/modules/news/index.php?storytopic=10)で、先ほどの試算(「基本シナリオの核燃料サイクルコスト比較に関する報告書」)では、2005年から六ヶ所の再処理工場が本格稼働するという前提で計算しているわけですから、すでに、シナリオじたいが破綻しているともいえるのです。

そうなると、建設・操業費が想定より高くなるでしょう。つまり、前述の42.9兆円という試算額はさらにふくらむ可能性が大きいということです。また、毎年800トンずつ40年にわたって処理するとしている想定も危うくなり、コストを引き上げる可能性が大きいと考えられます。

何兆円ものお金を、再処理など(つまり、原子力発電で発電し、再処理する方向)でなく、もし、仮に、太陽光発電をつけるために使えるとしたら……。太陽光発電だけに限らず、他の自然エネルギーの研究や普及のために使えるとしたら、どれだけのことができるでしょうか。

いま、さかんに事業仕分けなど、国のお金の使い方が見直されていますが、世の中の経済状況が厳しい今、お金を何のために使ったら有効に使えるのか、考えてみるといいかもと思いました。(もも)

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